エンドレス・エブリシング#1


「エンドレス・エブリシングシリーズについて
10年前にイラストレーターとしての活動を始めた時、最初に描かせてもらったのが盟友、伊藤秀典君のバンド、Cartonboxのアルバムジャケットでした。
今回、その伊藤君がソロ名義での活動を始めるにあたり、嬉しくもまた共同制作をすることになりました。このシリーズの絵におけるテーマは、「気がつかなくても何の支障も無いけれど、気がつけばうれしい日常生活内でのささやかな光 」で、毎回、伊藤君の新曲2曲(シングルA面/B面)と共にお届けする予定です。歌と絵、共鳴しつつも、対決姿勢や緊張感も忘れずに新しいものを作り上げていきたいです。新たな10年のはじまりとして、初心に戻って描いていきますので、暖かく見守って頂ければうれしいです。

「エンドレス・エブリシング」#1
伊藤君の久々の新曲「スターロード」を初めて聴かせてもらったのが、偶然にも阿佐ヶ谷にあるこの「スターロード」商店街内の小さなバーでした。(もしかしたら、伊藤君が演出していたのかもしれないけれど)おいしいドラフトビール(黒)を飲みながら聴かせてもらったこの新曲は今までの彼のどの作品とも違う、生活感に溢れるやさしい一曲でした。思えば自分が今まで描いていた世界は、目に見えないものや、実際しないものが多く、地に足がついているような絵はあまり描いていなかったことに気がつき、伊藤君の力も借りて、日常生活にスポットライトを当てたこのシリーズを始めることにしました。当初の予定では、不思議要素も、S.F.(少し不思議)要素もすべて排除した、写実的でストイックな絵にする予定でしたが、何だか気がついたら、最後のほうで「ほんの少し不思議(H.S.H.!)」要素を多少足していました、、、あーあ。しかし、今まで描いた事の無い絵を描くという目論みは多少ながらも成功したのではないかと、ビールをさらに飲みかなりぼんやりした頭では思っています。(酔いは自分に対する認識をかなり甘くします)尚、実際の「スターロード」商店街とは、店の配置などがまるで異なる事をご了承ください。

side A
『スターロード』

作詞  伊藤秀典
作曲  伊藤秀典

今日の雨は止みそうにないから
藍色の傘を持って
オレンジの電車に乗って
君を迎えに急ぐのさ

並木道をくぐり抜けて
君の好きなケーキ  買って
スターロードを通り抜けて
君の待つ部屋に急ぐのさ

夢のように時は過ぎて
電車の色も変わっていくけど
僕は今日も待ってるよ
チェットベーカーを聴きながら

昨日は喧嘩をしたけれど
君はまだ怒っているかな
そんなことを思いながら
スターロードを通り過ぎる

今日も悲しいニュースばかり
世界中にあふれ流れるけど
とぼけた顔で僕は歩くよ
ジョアンジルベルトを聴きながら

side B
『悲しみのマリー』

作詞  伊藤秀典
作曲  伊藤秀典

悲しみのマリー 何処へも行けないと
君は一人で嘆くけれど
モノクロのその 世界も君が
歩き出せば七色に輝くだろう

悲しみのマリー 小さな部屋で
小さな箱を眺めてる
確かに今日の ニュースは少しばかり
ひどすぎる それは認めるよ

でもねマリー オレンジの空は
燃えるように今日も輝いてる
空の向こう闇の中で
意味もわからず輝いてる

悲しみのマリー いつか君も
輝く世界に気ずくだろう
朝露に濡れた新緑の木々
空を舞う 名もなき鳥

ベイベーベイベーマリー君の声がするよ
今も胸の中に響き渡るよ