雑記:2012/6/29 たまには絵の話とか

こんにちは、ご無沙汰しております。もうすぐ夏になってしまいましたね、梅雨ですね。ついこの間桜が舞うのを見たような気がするのですが。三年寝太郎ならぬ、三月寝太郎、三ヶ月に一度の割合で我に返っている今日この頃です。我に返ったついでに最近の事をつらつらと書こうと思ったのですが、基本的にやっている事は三月前と変わりません。ひたすらCDを買って、それを聞きながらひたすら絵を描く毎日です。いやになるくらい同じです。ここ三月の間に買ったCDは、

Beach House/ Bloom

Spiritualized/ Sweet Heart, Sweet Light

Belle and Sebastian/ Late Night Tales Vol.2

MGMT/ Late Night Tales

Patrick Watson/ Close to Paradise

Patrick Watson/ Adventure In Your Backyard

Patrick Watson/ Wooden Arms

Rufus Wainwright/ Out of the Game

Sigur Ros/ Valtari

Fiona Apple/ The Idler Wheel Is Wiser Than The Driver Of The Screw And Whipping Cords Will Serve You More Than Ropes Will Ever Do

The Spinto Band/ Shy Pursuits

いつになく、節操無く、色々買っていますね。この中で一番聴いているのは、Beach Houseの新作。始め聴いた時は、なんだか80年代のアダルトコンテンポラリーラジオ局がかけていたようなアルバムだなあ、と思ってそれほど好きではなかったのですが、とにかくLazuliという曲が素晴らしく美しいのです。今すぐyoutubeでもいいから聴いて、買いに行ってほしいくらい。この曲を聴くためにアルバムをかけていたら、次第に他の曲も好きになり、、、という良くある一点突破からのお気に入りアルバム登録となりました。Of Montrealなんかがそうだったのですが、はじめはあまり好きでなかったアルバムの方が結果的になが~くお付き合いできるアルバムになりますね。何でもそうかな、結構人間関係もそうかもしれませんね。奥さんのりかこも、初めて会った時は、何この人?って思いました。これは、今でも時々思うけれど。今回は、他のアルバムもこれと言ったはずれは無かったかな。

Patrick Watsonは、新しいアルバムAdventure in Your Backyardで初めて知って、他のアルバムも買ってみたのですが、全部スタイルが違うながらも中々良かったです。すんごい好きってわけではないけれど、なかなか良かった。多分5年、10年前くらいだったら、もっとどっぷりはまれていたかもです。

Late Night Talesは、走ったりする時に聴いています。あまり考えたくない時、純粋にBGMとして聴くのに最適なシリーズ。belle and sebastianの方についていたボーナスCDRの方が本編よりも聴いています。

Rufus新作は、前回がお母さんを亡くした後で追悼的な重みのあるアルバムだったのに対して、今回はいつものRufusでした。でも、それでもどことなく重みがあるように思えるのは、Rufusが大人になったからなのでしょうか?(もともと大人だっただろうけれど)付属のDVDで、子供が出来てみたいに話していたのにはびっくりした。Montaukっていう曲の中で、ふたりのお父さんとか、もう一人のお父さんっていう、っていうくだりでは、思わず笑ってしまった。お父さんが着物着ているとか、意味不明な描写もRufusっぽくってよかったです。

Sigur Rosの新作は、2度ほど聴いて放置中。何となく、Sigur Rosも時代に取り残されてしまったかなあっていうのが生意気にも正直な感想です。あまり良くない意味で前と変わっていなかったです。

逆に、Fiona Appleの久々の新作は、なが~いタイトルも含めて相変わらず面倒くさそうな雰囲気がFiona Appleっぽくって良かったです。でも曲そのものよりも、あのノートブックっぽいパッケージングが良かったです。こういうスケッチブック/ノートブックを模したパッケージングは結構良くあるのですが、バインディングから紙質に至までこだわりが徹底されているのが素敵でした。(バインディングの所には、製本テープのようなテクスチャーが印刷されている。ザラザラ!)この本にCDとDVDまでついて、1500円程度で買えるなんて夢のようです。音楽は二の次です!って言ったら申し訳ないですね。でも、Fiona Appleの姿を見たのは、多分大好きな映画、Magnoliaに付いていたおまけディスク以来だと思うのですが、(当時、FIona AppleはP.T.Andersonとつき合っていた)時は皆に平等に流れている事を再確認してしまいました。そういえば、パッケージングといえば、Beach Houseのパッケージングも、イボイボの特殊加工が良いです。触っていて気持ち良い。癒し効果。

Spiritualized新作は、アルバム全体としては期待値には届かず、先行シングルHey Jane以外はあまり聴いていません。多分、Hey Janeをひたすら40分くらいまで引き延ばしてアルバムとした方が個人的にはうれしかったかな。ずっとジャムっていても良いので、、、それくらい好きな一曲です。

The Spinto Bandは、Of Montrealが好きな方にはおすすめとAmazonに言われたので信じて買ってみたのですが、Of Montreal好きとしては、全然物足りなかったです。言わんとしている事はわからないでもないけれど、多分、10年くらい前のまだ本領を発揮していなかった頃のOf Montrealをカルピスのように何倍にも薄めた感じのアルバムでした。偉そうな言い分ですが、本音です。

こんな感じの音楽を聴きながらひたすら絵を描いています。お仕事内容はこのウエブ内に掲載しているので割愛させて頂きますが、たまには少し絵の話を。ずっとここの雑記を読んで下さっている方にはびっくりされるかもしれませんが、ここ最近は絵を描く事が楽しくなってきました!まあ絵を描く事が好きでイラストレーターになっておられる方には、白い目で見られそうな事なのであまり誇れる事ではないのですが、ここ10年ほど絵を描いてきて楽しいと思えたのは、

1)アイデアを思いついた時

2)完成した絵を眺める時

のみで、その間はほぼすべて苦痛、、、というイラストレーターとしての素質を自分でも疑うような有り体だったのですが、最近は(やっと!)絵を描く事を楽しんでいる時もあるように思えます。多分理由は簡単で、長くやっているにつれ、本当に有り難い事に、昔よりも信頼して下さる方が増えたので、自由にやらせていただける機会が増えたからだと思います。自分としては、同じ事をずっとやっているとやはり飽きてしまうので、ちょくちょく新しいスタイルを模索しつつ進化して発展/成長していく事が続ける上で大切なのですが、その過程をある程度まではお仕事の絵に盛り込むことができるようになったのは大きいのではないかと思います。もちろん、お仕事としてやっているので、広告にしろ装画にしろ、その媒体を最大限に宣伝できる事が最も重要な課題なのは変わらないのですが、それをクリアしつつも、毎回一つでもやった事のない新たな表現方法盛り込めるのは、自分のモチベーションを保つためにも大切な事です。しかも、時には、今号からお世話になっているNumberのお仕事のように、大丈夫かな?と少し心配になってしまうくらい、好きに描かせて頂ける事もあり、感謝感謝です。Numberのお仕事では、ここ最近で一番異色?な雰囲気の絵を描いているので、今号から8回ほどで、どこまで、こっそりと変化/進化できるのかを裏テーマに楽しんで頂ければと思います。もう少しお話すると、以前は、個展用の絵で楽しく好き放題やって、お仕事の絵は、なるだけ真面目に、、と、ふたつの場があまりクロスしなかったのですが、良くも悪くもその垣根がだんだんと曖昧になってきたようにも思えます。良くも悪くもと言うのは、多分以前ほどメッセージ性を絵に込めていない所なのかな?あくまでも、商品の顔としての絵であって、自我を塗込めたような絵を最近は描いていないのが、逆に純粋に描く事を楽しめている原因かもしれません。とはいえ、自我はいつでも、いつでも、いくつになっても、ムクムクと湧き出ているものなので、一枚絵という形では無い、違う表現方法で今は具体化させています。これらの作品(?)達も、ちゃんと形になったらお伝えしますので、その時は見て頂ければすごくうれしいです。そんなこんなで、ここ1年ほどは、所謂個展用の絵というものは描いておらず、もっぱらお仕事絵ばかりを描いているのですが、ここで得たものを大事に暖めつつ、また次の段階に行けたらなと思います。絵のお話でした。

そんなこんなの2012年もそろそろ後半戦、引き続きよろしくお願いいたします。
良い初夏をお迎え下さい。