大地のゲーム(文庫版)
綿矢りささんの長編小説、「大地のゲーム」(新潮社)文庫版の装画を描きました。
単行本で描いた世界観を引き継ぎながらも違うスタイルで新たに文庫版を描き下ろすという作業は初めてだったのでかなり楽しかったです。2年前の自分が何を思っていたか思い出しつつ、2年間の成長?も多少は盛り込めれば、、、と思いながら描きました。デザインは、新潮社装幀室の篠崎健吾さん。今でも思い入れのある単行本版も合わせてお楽しみいただければ。
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大地のゲーム
綿矢りさ/著
大震災と学生運動をモチーフに、極限状態における人間の希望を描いた異色の青春小説。
二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオン煌めく明るい夜を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い、大学の校舎で寝泊まりを続ける学生たちは、カリスマ的〈リーダー〉に希望を求めるが……極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
発行形態 : 新潮文庫
ISBN : 978-4-10-126652-7
発売日 : 2016/01/01
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単行本版
大抵の本にかかっている「帯」は、表紙の1/3を隠してしまう、結構やっかいな存在なのですが、今回は、その「帯」をどうにか味方につけ、アナログ本にしかできない装幀デザインとなっております。デザインは、新潮社装幀室の只野綾沙子さん、試行錯誤の末、かなり素敵な本ができたのではないかと思います。ぜひ、本屋で手に取って楽しんで頂ければ幸いです。小説内容も素晴らしく、お仕事とは関係なしに何度も読み返してしまった程です。印象的には、weezerの初期アルバムのような感じでしょうか。短くてポップなアルバム(だけれど重みもしっかりとある)を、永遠にリピートで聴いてしまう、あの感じ。そして、聴く度に新しい発見がある感じ、、、今回はカバーの隅々まで普通の装画の2倍ほどの量の絵を描かせて頂いているのですが(描けてうれしい商業的ゾンビ絵も!)、間違い探し的な要素も含めて、読了した後にまた、絵からも新しい発見をして頂けたら、最高にうれしいです。
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単行本: 168ページ
出版社: 新潮社
発売日: 2013/7/31
私たちは、世界の割れる音を聞いてしまった――。大地はまた咆哮をあげるのか? 震災の記憶も薄らいだ21世紀終盤。原発はすでになく、煌々たるネオンやライトなど誰も見たことのないこの国を、巨大地震が襲う。来るべき第二の激震におびえながら、大学キャンパスに暮らす学生たちは、カリスマ的リーダーに未来への希望をつなごうとする。極限におかれた人間の生きるよすがとは何なのか。未来版「罪と罰」。