「愛についてなお語るべきこと」
片山恭一さんの長編小説、「愛についてなお語るべきこと」上巻(小学館)文庫版の装画を描きました。
今回の装画は、単行本版の絵を再構築し、さらにあらたな要素も描き足したセルフリミックス的絵となっております。単行本版との間違い(ではないけれど)探しをしていただくのも楽しいかもしれません。
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- このろくでもない世界を生き抜く。
ふたつの小説が、交互に語られていく。
第一の小説は、近未来の世界で生き残ったふたりの十代の男女が主人公。少年の名前はオサム、少女は「ギギ」と少年から呼ばれている。彼女は言葉を話すことができない。ふたりは、食料確保のため冬の山のなかへ分け入っていく。
第二の小説は、旅先で消息を絶った息子・理を捜すためにタイの地を訪れた小説家・辻村に、一夜を共にしたウァンと呼ばれる現地の謎の美女、そして彼女の同居人の日本人カメラマンが絡む。
「彼女の本当の名前」を巡って二つの物語が共振する。
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