浮遊霊ブラジル

Posted by on 11月 13, 2016 in お仕事, 最新, 装画 | No Comments

津村記久子さんの小説『浮遊霊ブラジル 』(文藝春秋)の装画を担当しました。

 

愛おしくチャーミングで、非常に素敵な小説でした。この装画の原画も今回の個展で展示予定です。打ち合わせの際に「空にはうどんが飛んでいて、海には薬味やエビの天ぷら。帯下には地獄と鬼を隠して、できればタイトルを浮遊する耳に入れて頂ければ」と、恐る恐るお伝えしたら、すべてが一発で通ってしまって逆にドキドキしました。面白がって受けて入れて下さった優しきデザイナーの大久保明子さんと優しき担当の田中さんには感謝しかございません。

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初の海外旅行を前に死んでしまった私。幽霊となって念願の地を目指すが、なぜかブラジルに到着し……。川端賞受賞作「給水塔と亀」を含む、会心の短篇集!

【収録作】
「給水塔と亀」…定年を迎え製麺所と海のある故郷に帰った男。静謐で新しい人生が始まる。〈2013年川端康成文学賞受賞作〉

「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」…静けさのないうどん屋での、とある光景。

「アイトール・ベラスコの新しい妻」…ウルグアイ人サッカー選手の再婚の思わぬ波紋。

「地獄」…「物語消費しすぎ地獄」に落ちた女性小説家を待つ、世にも恐ろしい試練とは。

「運命」…どんなに落ち込んでいても外国でも、必ず道を尋ねられてしまうのはなぜ?

「個性」…もの静かな友人が突然、ドクロ侍のパーカーやトラ柄で夏期講習に現われて…

「浮遊霊ブラジル」…海外旅行を前に急逝した私。幽霊となって念願の地をめざすが。

 

書評・インタビュー

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担当編集者より
初の海外旅行を前に死んでしまった私は、心残りのあまり、幽霊になってしまう。偶然、人間に「憑(と)りつく」スキルをマスターし、相手を乗り換えながら念願の地を目指すのだが、なぜかブラジルに到着し……。今回の津村さんの短篇集は、とぼけたユーモアあふれる傑作ぞろい。地獄の鬼や、3億も兄弟がいる謎の生物が出てきたり、海外サッカーや自転車、うどんへの愛に満ちていたり。カバーイラストは北澤平祐さん。全力でこの津村ワールドを描きおろしてくれました。ぜひ、本屋さんでお手にとってみてください。
商品情報
書名(カナ) フユウレイブラジル
ページ数 184ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2016年10月20日
ISBN 978-4-16-390542-6
Cコード 0093


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