タダイマトビラ
村田沙耶香さんの小説、「タダイマトビラ」文庫版の装画を単行本版に引き続き担当しました。
この小説ほど「衝撃の結末」という煽り文に一切の誇張を感じられない作品も珍しいのでは。衝撃です。そして素晴らしいです。今回もカーテンのニナオ君に再登場してもらいました。デザインは田中愛子(新潮社装幀室)さんです。
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母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか? 「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
タダイマトビラ
村田沙耶香/著